いまこそ自分の成長に責任を持つ

■ジョブ型雇用を生き抜く

21年3月期決算で初めて純利益が1兆円を超えた絶好調のソニーが、いま
リストラを行っています。

同社は21年4月、これまで「ソニー本体」として君臨してきたテレビ、カ
メラ、スマホなどの家電製品を扱うエレキ事業を、傘下にあるゲーム、音楽、
映画などの事業と同列に「格下げ」する体制変更を行いました。

武家の棟梁であった徳川家が、長州や薩摩と同列の一大名になったようなも
のです。

2010年に売上げの62%を占めていたエレキ事業は、2020年には32%へと半減
し(いずれも半導体を含む)、ゲーム事業(29%)に取って代わられようとし
ています。

そのエレキ事業で、20年から早期退職募集が始まっているのです。これは、
成長分野へ資源を集中させるための「黒字リストラ」であり、このソニーの
動向は昨今の経営者の意識の変化を象徴しています。

「黒字リストラ」は製薬会社や電機メーカーを中心に、数年前から顕著にな
ってきました。

技術革新による社会変化に伴い事業の大規模な新陳代謝を行うためには、そ
れに対応できる専門性を有した人材とそうでない人材を選別し、足りない人
材は社外から採用するという人材戦略です。

対象は50~60代のベテラン社員だけでなく、業務の中核を担っている40
代にまで(ソニーも同様)拡大しています。日本経済新聞の調査によると、
2019年に希望・早期退職を実施した上場企業のうち、約6割の企業が直近
の決算で「黒字」だったとのこと。


注力していく事業で優秀な人材を確保するために、これまで行ってきた配置

転換という「人材の社内流動化」から、「人材の社外流動化」へと舵を切り
始めているのです。

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「外」で通用する専門性を磨く
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さて、このような状況下で、個人としての私たちはどのようなことを考えて
日々の仕事に取り組むべきでしょうか。

1つめは、「外」でも通用するレベルの専門性を磨くことです。人材の社外
流動性が増してきているいま、市場が求めているのは高い専門性を有してい
るスペシャリストだからです。

課長や部長などの管理職ポジションであっても、市場の需要があるのはマネ
ジメントができるスペシャリスト(スペシャリスト・マネジャー)です。

これまで日本企業が大量生産してきたゼネラリスト、ゼネラリスト・マネジ
ャーに対する市場の需要は残念ながらありません。


2つめは、専門性を磨きながらも、必要に応じて専門性のスクラップ&ビル

ドを行えるだけの基礎体力をつけておくことです。

これだけ環境変化のスピードが増してきている時代に、「同じ会社で、同じ
分野で、同じ専門性を生かす」ことを前提とした働き方は現実的ではありま
せん。

事業の組み替えや技術の進展によって、同じ専門性でも適用していく分野が
シフトしていきます。所属企業が変わってくるかもしれません。

そのときには、いま持っている専門要素のパッケージのうち、半分を捨てて
半分を新たに学習するといった専門性のスクラップ&ビルドが必要になる
のです。

そのために必要な基礎体力については、仕事と学習の高速化力、個人名で勝
負できる力、偶然のマネジメント力、横方向へのリーダーシップなど、近著
『管理職3年目の教科書』で取り上げています。

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環境変化はチャンスである
-------------

環境が変化するということは、昨日の常識と明日の常識が違うということで
す。新しいビジネスが次々と生まれるということは、新分野への挑戦の機会
が無限に存在するということです。

いま起きている環境変化は脅威ではなく、より可能性に満ちた自分らしい職
業人生を送ることができるチャンスです。

 

『管理職3年目の教科書』は、そのチャンスを生かすために、ビジネスパー
ソンの皆さんがどのように自分を成長させていけばよいかについて書いた
ものです。

管理職だけでなくスタッフ社員の方にも適用できる内容になっています。

出版以来、内容に興味を持ってくださったメディアに、コラムを何本か寄稿
させていただいております。

たとえば、

▼東洋経済オンライン
『外資系管理職が「プレーヤー」を辞めない理由』
https://toyokeizai.net/articles/-/421815

▼ダイヤモンドオンライン
『ジョブ型企業で大量淘汰される「ゼネラリスト・マネジャー」の悲しい末路』
https://diamond.jp/articles/-/274612

私が企業人としての経験ベースにこの仕事を始めて11年目になりますが、
変わりゆく世の中を直視しながら、これからも皆さんのお役に立てる情報を
発信していきたいと思っています。

 

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