「できれば、定年後も働きたいのですが
どうすればよいのかイメージが湧かないんです?」
最近、50代前後の現役のビジネスパーソンの方から
このような言葉をよく聞きます。
私自身が54歳で独立して、
いまは年齢制限のない働き方をしており、
何か参考になれば、とのことなのでしょう。
——————————
ロールモデルが少ない
——————————
普通に90歳まで生きる世の中になってきたことや、
75歳ぐらいまではピンピン働けること、
年金支給開始年齢が65歳に延長されたこと、
今後、支給額も、ほぼ確実に減額されていくであろうこと。
このような環境下で、
定年後もできれば働きたいと思ってはいるものの、
どうすればよいのかイメージが湧かないようです。
イメージが湧かない大きな理由は、
この環境下で退職を迎える人たちの数が
大きく増えてくるのはこれからであり、
ロールモデルになるような人のサンプル情報が、
まだ十分に蓄積されていないからです。
———————————–
働きながら情報を集めておく
————————————
よくよく考えると、
定年後にまだ10~15年もの間、
思う存分好きな仕事をできる時間があります。
どうせなら、会社の仕事の延長上とか、
これまでの経験を生かしてなんてケチ臭いこと考えずに、
思いっきり視野を広げて
選択肢を増やしてみるのもいいのではないでしょうか。
現役の会社勤めの方々に私がおススメするのは、
将来の生き方を自分で選択できるように、
会社に勤めながら情報を集めるための行動を起こすことです。
退職というのは、
仕事や給料や人間関係を提供してくれる環境が突然なくなり、
すべてを自分で考えて決めなければならない
日常が始まるということです。
このような観点から、参考になる情報は、
現役のビジネスパーソンの集団の中ではなく、
個人事業主やフリーランスなど、
自己責任で仕事をしている自立した人たち中に
あるように思います。
—————————————————————-
同じ目的を持つ人が集まる「講座」というコミュニティ
—————————————————————-
そのような人との接点を持つために、
私がやってみてよかったなと思うのは「講座」に通うことです。
会社に勤めながら休日を使って、
あるいは独立直後にこのような講座に通っていました。
「キャリアコンサルタント養成講座」
「書くチカラを向上させる講座」
「話すチカラを向上させる講座」
どれも、会社勤め、個人事業主、
フリーランスなど様々な労働形態、
様々な年代の人たちが参加しており、
半年ほどの講座期間中、
彼らと定期的接しているうちに、
自分の視野が大きく広がるとともに、
人生の選択肢も広がっていくのを感じました。
「講座」というのは、
資格を取りたい、
書くことがうまくなりたい、
話がうまくなりたいなど、
参加者が同じ目的を持っているため、
共感しやすい場です。
単なる異業種、異分野交流会などよりも、
はるかに、関係性が深くなる可能性を持っています。
同じ講座で学んだ仲間のかなりの人たちとは、
その後もずっと交流が続いています。
どのような講座に通えば定年後の仕事の役に立つか
なんて考えずに、(そもそも、そんなことわかりません)
興味を持って、やってみたいな!
と思うものを選ぶのが一番です。
ただし定年後に暇を持て余した人が集まるような
娯楽・教養系よりは、
バリバリと仕事をしている人が集まるようなものの方が、
必要な情報は得られると思います。
————————–
今の仕事は全力で!
————————–
先日、
『定年後~50歳からの生き方、終わり方』(中公新書)が
25万部越えの大ベストセラーになっている
楠木新さんの講演を聴く機会がありました。
何の準備もせずに定年を迎えるとこうなるそうです。
・元気な人は同期で1割5分
・名前が呼ばれるのは病院だけ
・半年たつとTVの前から立ち上がれなくなる
・図書館で小競り合い(新聞の取り合い)
・クレーマーは元管理職
だからこそ、早めにいろいろと考えて
おきましょうということです。
ただし、楠木氏も言っていましたし、
私もまったく同感ですが、
だからといって、いま会社でやっている
仕事の手を抜いてよいわけではありません。
目の前の仕事がしっかりとできない人は、
自分で何かやろうとしても決してうまくいきません。
さて、
視野を広げて情報を集めたら、
次のステップは可能な範囲で「ちょっとやってみる」ですが、
そのことはまた別の機会に。
楠木新氏の著書は
40~50代の会社勤めの方に、おススメです!
定年後は、最終的には自分で考えて
自分で決めること、としながらも、
生き生きと働いている150人へのインタビューをもとに、
楠木氏なりの考え方を提言されています。
『定年後~50歳からの生き方、終わり方』(中公新書)
https://amzn.to/2tjhsV4
新刊のこちらも面白いです。
『定年準備~人生後半の助走と実践』(中公新書)
https://amzn.to/2ytzKc3