コーヒー豆の生産量ランキングでは、ブラジル、ベトナム、コロンビア、
インドネシアが4強です。特に1位のブラジルは2位ベトナムを倍以上引
き放すほどのコーヒー豆大国です。
そのブラジルで、1920~30年代にコーヒー豆の大豊作により豆の価格が大
暴落、農民が困窮に落ちるという事態が発生しました。
農産物の輸出が財政を支えている国家的な大ピンチです!
指をくわえてみている訳にはいかないブラジル政府は、大量に余ったコー
ヒー豆を何とか加工商品として売ることができないかと考え、世界最大級
の総合食品会社ネスレ社に話を持ち込みます。
この話を受けて、試行錯誤、悪戦苦闘の末にネスレが開発したのが、イン
スタントコーヒー『ネスカフェ』です。皆さんご存じの、その後の世界的
な大ヒット商品です。
窮余の策とは言え、コーヒー豆の大豊作&価格暴落を「仕方がない」とし
て放置するのではなく、別の商品として収益化できるチャンスではないか
と考えたブラジル政府とネスレの「ピンチはチャンス」です。
-----------
「思考のクセ」が反応を決める
-----------
ブラジル政府とネスレが「ピンチはチャンス」を現実のものとした裏に
は、次の3つの考え方があります。
(1)ピンチをチャンスに変えようとするプラス思考
(2) 従来とは違ったアプローチ
(3) 関係者がwin-winの関係になるような打開策
劇的なスピードで環境や人が変わっていく昨今においては、いつピンチが
訪れてもおかしくありません。いや、毎日がピンチなのかもしれません。
私たちは、普段からこのような視点で仕事をしていくことが大切なのでは
ないかと思います。
ちなみに、この3つの考え方を逆にしてみるとどうなるでしょうか。
(1’)ピンチを嘆くだけのマイナス思考
(2’)従来と変わらぬアプローチ
(3’)弱者だけに負担を強いるような打開策
なんだか、上手くいかない人の思考パターンのようですね。
起きた事態に対してどう反応するかは、その人の「思考のクセ」です。プ
ラス思考のクセの人は、状況に関わらずポジティブに反応するでしょう
し、マイナス思考のクセの人はネガティブに反応します。
「思考のクセ」は行動へとつながり、仕事や人生に影響を与えていきま
す。
私たちが喜ぶべきことは、どのような「思考のクセ」を持つかは、自分で
決めることができるということです。「クセ」は気づきさえすれば、直すこ
とができるのですから。