「批判する人は才能が無い人」と言う映画界の巨匠

├できる人の仕事への姿勢

 

『男はつらいよ』『釣りバカ日誌』などを手がけた
映画監督のの山田洋次さんが、映画プロデューサーの川村元気さんとの
対談の中で、若い世代に向けてこのようなメッセージを投げかけています。

「批判する頭のよさよりも、いいなぁと惚れ込む感性のほうが大事だと思う」

かつて山田監督が、上映中のある外国映画への批判を口にしていたとき、
先輩監督から「もっとよく観ろ!」とたしなめられたうえ、
いくつかの場面に込められている演出上の工夫をネッチリと説明されたとのことです。

すぐに劇場で観直したところ、自分はこの作品を全く理解できていない
ボンクラだったことに初め気づいたそうです。

 

仕事などで自分なりの価値基準を持つことは大切です。
それがあるから、迅速な決断ができ、困難にも立ち向かうことができるからです。

しかし同時に、「価値基準は絶対ではない」と知っておくことも大切です。
新しい情報に触れることによって価値基準はどどんどん変わっていくのです。

今の価値基準でも、生まれたときから持っていたわけではなく、
いろいろな経験をしながら少しずつ形作られてきたものです。

私は、これからの人生がより豊かでより意味のあるものにできるよう、
常に、価値基準のバージョンアップをしたいと思っています。

そのために、多少へそ曲がりではありますが、
世の中の常識と自分にとっての常識をどちらも絶対視せずに、

「もっと良いものがあるのでは?」と時々考えたりしています。

新しい情報に触れたときに、たとえ自分の基準では違和感を得たとしても、
決して「批判」という形で外に向かってアウトプットするのではなく、
「学習」という視点で自分に向かってアウトプットする―――このように心がけています。

「批判」は自分の中に何も残らないのに対して、
「学習」は何かが残るからです。

山田監督はこうも言っています。
「批判するのはかっこいいかもしれないが、そういう人間はえてして才能が無い場合が多い」
山田監督は、もう一回観に行ったその作品から学んだ演出を
のちに自分の作品に取り入れたそうです。

 

その作品とは、ウイリアム・ワイラー監督、オードリー・ヘップバーン主演の
『ローマの休日』―――不朽の名作です。

 

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