チームで仕事をするにあたって、
協調性は大事、助け合うことは大事、責任感だって大事、
この分野は日本人は得意だ!
そう、日本企業の強みはチームワークだ!
こういう話を時々聞きます。
ただ、日系と外資系の両方で働いたことのある私としては、
複雑な気持ちです。
というのも、日系企業と外資系企業とでは、
チームワークに対する考え方が違うように感じるからです。
一般論としてのチームワークは、
チームメンバーが、
協調性、助け合いの気持ち、
責任感などを発揮しながら、
共通の目標に向かって行う活動
というニュアンスではないでしょうか。
確かに、この点は日本人は得意だと私も思います。
でも、いまあげたことは
チームワークの一面でしかありません
というのは、外資系企業におけるチームワークとは、
文字通りチームによる生産活動です。
したがって、その目的は、『チームの生産性の最大化』です。
ということは、メンバーが
「チームの生産性の最大化」
という点を判断基準として
主体的に行動していることが
良きチームワークの要素になります。
典型的な例が、
チーム力を最高のものにするために
自分の考えやアイデアを
積極的にチーム内に伝えること。
つまり、「言いたいことを言っているか」。
もし異なる意見があっても、
お互いの考えを尊重しながら
でも、徹底的に議論をします。
論点は、自分勝手な都合ではなく
チームの生産性をMAXにするかどうかです。
ただし、言うだけのことを言ったら、
あとは決裁権限を持っている
リーダーの判断に従うのが
ゲームのルールであることも理解しています。
リーダーも、責任体制が明確化している分
自分の判断には責任を持ちます。
だからこそ、間違いのない判断をするために
メンバーの意見には耳を傾けます。
メンバーも、変な判断をされては困るので、
リーダーが決める前に、
言いたいことをはっきりと言うわけです。
外資系には、このような言いたいことを言う文化と、
決まったことには従うというゲームのルールが存在し、
この両者がうまく噛み合いながら、チームの生産性を高めています。
その上で、協調性や責任感ある協力姿勢があるのが、
本来のチームワークです。
この、チームワークの目的に目を向けないと、
ともすれば、波風を立てないことが
チームワークであると勘違いしてしまい、
その結果、言いたいことを言わない文化が
できてしまいます。
出しゃばりだと思われたくなくて、
あるいは上司に嫌われたくなくて
言いたいことが言えない・・・
会議の席では賛成しながら
「実はですね・・・」と後から異を唱える・・・
表の顔では賛成しているが
陰でこそこそと批判をしている・・・
表面上は丸く収まっているかもしれませんが、
何ら生産に寄与しておらず、
これらはチームワークでも何でもありません。
良好なチームワークをつくるためには、
「言いたいことが言える文化」が必要です。
そのようなチームづくりが、リーダーの腕の見せ所です。