最初に問題です。
地図、CD、時計、カメラの共通点は何でしょうか?
ちょっと考えてみてください。
もう少し考えてみてください。
正解は、かつては独立していたものが、いまは1つのスマホの中で機能化さ
れているものです。
言われてみるとどうってことないんですが、少し考えて正解を出せる人と、
いくら考えてもダメな人がいます。何が違うかというと、アタマの中で思い
浮かべているものの違いです。
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巣ごもりで生活がマンネリ化した結果・・・・・・
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正解を出せない人は、アタマの中で「地図、CD、時計、カメラ」そのものを
映像として思い浮かべています。でも、いくら地図とCDを比べても、なか
なか正解にはたどり着きません。
これに対して正解を出せる人は、「地図を見ている人、音楽を聴いている人、
時間を確認している人、写真を撮っている人」を思い浮かべています。
モノそのものではなく、それらが使われている状況をイメージしているので
す。現に、正解が出ない人に「自分が使っているところをイメージしてくだ
さい」とヒントを出すと、多くの人が「あっ、わかった」となります。
これは、アタマの柔軟性です。
コロナ禍で外出が制限され、リモートワークでひとり仕事の時間が増えてく
ると、どうしても生活が単調になりがちです。その結果、視野が狭くなり、
思考も単調となり、アタマの柔軟性が失われていきます。
このようなときにアタマの柔軟性を取り戻すには、意識して「新しい体験」
をすることが効果的です。マンネリ化しがちな日常に、非日常的な刺激を与
えてくれるからです。
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新しい概念に触れる
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最近の私にとっての「新しい体験」は、友人が紹介してくれた『13歳から
のアート思考』という本を読んだことです。
よくある美術鑑賞入門的な本ではなく、美術作品を通して「自分だけのもの
の見方」が育まれていくような内容です。
(この先ネタバレ注意)
たとえば・・・・・・
岡山の大原美術館で、有名な『モネの睡蓮』を見た4歳の男の子が「蛙がい
る」と叫んだそうです。しかし、大人たちはどうやっても蛙を見つけること
ができません。ある学芸員の人が「どこにいるの?」と訪ねたところ、男の
子はこう答えたとのこと。
「いま水にもぐっている」
これこそが、自分だけのものの見方で作品を鑑賞するということです。
このような新しいアート鑑賞の概念が作品の写真とともに述べられており、
それが、私にとっての「新しい体験」でした。「新しい概念」に触れること
で脳に刺激が与えられ、アタマの柔軟性が保たれるような気がします。
「新しい体験」は、別に大げさなものである必要はありません。新しいジャ
ンルのDVDを観た、新しい作家の本を読んだ、新しい人と知り合った、新し
い考え方を知ったなど、身近にたくさん機会はあります。
ただ、待っているだけではそれは訪れないので、普段とちょっとだけ違う行
動をすることがポイントです。
あなたは最近、どのような新しい体験をしましたか?