後継者育成の「サクセッション・プラン」(2015年9月23日)
外資系企業に勤めていたとき、「サクセッション・プラン」という人事制度があった。役員などの幹部クラスの社員が毎年決まった時期に、「もし自分の後継者を指名するとすれば誰なのか?」ということをよく考えた上で、2、3人の候補者の名を会社に届ける仕組みである。
もちろん極秘情報であり、情報を共有するのは届けた本人以外は社長と人事部長の2人だけである。他の幹部に伝わることもなく、名前が挙げられた社員自身が知ることもない。会社によっては、社員の選抜および計画的な幹部人材育成を目的としたサクセッション・プランを採用しているところもあるが、当社の場合はそうではない。
将来へ向けての体制の維持・強化のための最高責任者としての状況認識と、誰か幹部が辞めたときや、事故や病気で業務ができなくなったときのための危機管理が目的である。
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