私は、大学時代は工学部で造船学を専攻していました。
ある日、大学の近くの港に『日本丸』という
帆船が入港するという情報を掴みました。
建造から50年近くたっていますが、
船員になる人たちの訓練航海船としてバリバリ現役の帆船です。
「おおーっ!これは何が何でも見に行かねば!」と
造船学科の友人T君のバイクの後ろに乗せてもらい、
さっそく港に駆けつけました。
停泊中で帆はたたんでいましたが、
「太平洋の白鳥」と呼ばれている
天にも昇るような美しい3本マストの雄姿は荘厳でした。
船首から船尾まで行ったりきたりしながら
ただただ眺めていましたが、
そのうち、乗船したくてたまらなくなってきました。
デッキから降りている階段には
「関係者以外立ち入り禁止」とくっきりはっきり書かれている
掲示板が鎮座ましましています。
その横には、
怖い顔した訓練生のオニーサンさんが仁王立ちです。
が・・・、
ここで、魔が差したというか、
悪智恵がひらめいたというか、
「あの~、大学で造船を専攻しているんですけど~
勉強の一環として~、船を見学させてもらえませんでしょうか~?」
って、仁王様に聞いてみたんです。
そしたら…
「少々お待ち下さい」と、
デッキに上がって偉そうな人と話をしてから降りてきて、
「どうぞこちらへ」って許可してくれたんです。
「ワーオ!」です。
そのあと、船内くまなく案内していただき、
嬉しいやら恐縮するやら。
「言うてみるもんやな~」と、
人生初の現役帆船乗船のチャンスをものにできたことを
T君と喜び合いました。
入港情報を掴み、実際に港まで見に行き、
ダメ元でもお願いしたからこその結果です。
「弱い人間はチャンスを待ち、強い人間はチャンスをつくる」
「成功者の研究」に生涯を捧げた
米国人オリソン・S・マーデンの言葉です。
彼は、
ヘンリー・フォード(自動車)
ジョン・D・ロックフェラー(石油)
アンドリュー・カーネギー(鉄鋼)の御三家から、
ビル・ゲイツ、スティーブ・ジョブズ、
スティーブン・スピルバーグなどの我らがスーパーヒーローまで
成功者の考え方、姿勢、心情や行動を研究し、貴重な成果を残しています。
この言葉は、
「チャンスが来たら確実に掴む」なんちゅう、
そこらにあるような考え方を超越して
「チャンスなんて自分でつくり出すもんでっせ!」
と成功者は考えていますよ、と伝えています。
最近、本の中でマーデンのこの言葉に触れて
『日本丸』話をふと思い出した櫻田でした。
あなたは、
自分でチャンスをつくっていますか?