成果に群がる「ヤッターマン」たち

├良好な人間関係を構築する

 

かつて、証券会社で
商品開発の仕事をしていたときの話です。

 

世に出した商品がヒットしたり話題になったりすると、
必ず、後になって、自称「関係者」がぞろぞろと出てきます。

「あれは、俺がアドバイスしてやったんだよ」

「そのままでは使えないから、俺が手直ししてやったわけよ」

「全然わかっていないから教えてやったんだ」

なんてことを、あちこちで吹聴して回る
成果に群がる人たちです。

 

 

私たちは彼らのことを
「俺がやった」「俺がやった」と騒ぎ立てる
『ヤッターマン』と呼んでいました。

 

 

ヤッターマンには特徴があります。

 

自己顕示欲が強く、「自分は仕事ができる」と思っている。

自称「情報通」で、得意げに知識をひけらかす。

うまくいかなかったときには他人の振りをする。

決して正義の味方というわけではない。

そして、自分が「ヤッターマン」だとばれていることに気づいていない。

 

まあ、まわりの人は陰で

「あいつはヤッターマンだから」とか、
「おっ、またまたヤッターマン登場」

などと言っているわけですから、
誰も、本当にその人が「やった」とは
思っていないわけです。

 

私たちも、ムキになって、
「いや、あの人の世話にはなっていない」
などと言ってしまうと面倒くさいことになるので、
「はい、はい、そうですか」と基本的にはスルーです。

 

気にすべき、というか、配慮すべきは
「隠れヤッターマン」です。

 

表だって「自分がやった」とは言いません。
その代わりに、社内の実力者に対してピンポイントで
「あえて人には言っていませんけど・・・」
と、自分が「やった」ことをアピールする人です。

 

普通のヤッターマンは
「関係者がダメだから俺がアドバイスしてやった」
的な言い方で自分をアピールしようとします。

 

一方で、隠れヤッターマンは、あくまでも関係者を立てて
「彼らは本当によくやりましたよ」と言いつつも、
実際に自分が行ったアドバイスなどを、
「正しく伝えておく」人たちです。

 

人の手柄を横取りしようというのではなく、
自分の貢献を実力者に、
ちゃんと伝える努力をしているわけです。

 

このような人には、
実際に仕事ができる人が多いです。

 

隠れヤッターマンは力があるので、
味方になってもらうと何かと心強いです。
そのためには、多少でもお世話になったのであれば、
そのことを、先に上司やその上に伝えておくとよいでしょう。

 

そうしておくと、
隠れヤッターマンがアピールしようとしたときに、
「櫻田君からも、そう聞いているよ」と言ってもらえます。

 

「おお、櫻田、いいとこあるじゃん」
で、ますます応援してもらえます。

 

ちょっとばかし生々しい話ですが、
本当に世話になった人がいるとき、
その人が隠れヤッターマンであるかどうかにかかわらず、
相手にちゃんとお礼を言うことはもちろんのこと、
「相手が評価してもらいたい人」にも
お世話になったことを伝えておくとことです。

 

それが、ひとつの恩返しであり、
回り回って本人に話が伝わったときに、
より好印象を持ってもらえる、つうこってす。

 

感謝の気持ちは本人に伝えるだけでなく、
周りにも伝えておくと、より伝わります。

 

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