外資系の会社にいたとき、米国人の上司と週1回、
1対1で定期的なミーティングを行っていました。
業務報告は日々メールで行っていたので、
相談や提案事項、サポートして欲しいことなど、
対面で話した方がよいことのみをギュッと圧縮して行います。
ある日のミーティングです。
明らかに彼の機嫌が悪いのです。
普段は、ジョークを交えながら明るい雰囲気で話をするのですが、
その日は、表情が硬くて、反応もイマイチです。
私には全く心当たりがないのですが、
「彼にもいろいろあるんだろう」と、やり過ごしました。
しかし、翌週も同じように機嫌がよろしくないんです。
「これは、何か理由があるな」と、彼の秘書に聞いてみました。
すると、私とのミーティングの直前の時間に、
日本語の個人レッスンを受け始めたとのこと。
「思うように話せずに、かなりストレスが溜まるみたいですよ」
だって。
「ゲゲゲッ!そのとばっちりを受けていたのか」
合点がいきました。
「それはやばい」とばかりに、理由を付けて
ミーティングの日時を変更してもらったところ、
次回からはいつもの陽気な上司に戻りました。
どのような現象にも必ず理由があります。
その現象が何度も繰り返されるときには、
裏に構造的な理由が隠されています。
表面的な対症療法で、一見解決したように見えても、
本質的な問題はなくなりません。
あの時、ミーティングの最初に一発ジョークをかませるなどの
工夫を凝らしてもそれは対症療法です。
上司の機嫌の悪さは、その後も続いたでしょう。
繰り返し現れる問題の構造的な理由を見つけて
取り除くことができる人が
「問題解決能力の高い人」です。