10年勤続で8週間の連続有給休暇!なぜ、これが実現できるのか?

■チームの成果を最大化する

 

タイトルは、私が勤めていた
米国系の資産運用会社のことです。

10年勤続すると
8週間連続の有給休暇がもらえる!!!!

という、とんでもない制度ですわ。

 

10年間会社に貢献してくれてアリガトね!
家族とでもゆっくり過ごしてエネルギーを
チャージして、また次の10年をよろしく!

 

まあ、こういう主旨です。

 

これだけでも、
ぶっ飛びそうな優れものの制度ですが、
これが本当にすごいのは、
該当する「全社員」が本当にこの制度を利用して、
しっかりと休暇を楽しむということです。

 

グループの最高責任者であるグローバルCEOだろうが、
COOやCFOの経営幹部だろうが、
各国のオフィスの社長だろうが、本当に全社員です。

 

私は日本の社長の他に、NYの外国人幹部にも
業務報告をしていたことがありましたが、

彼女もこの制度を使い、
8週間の連続休暇を取りました。
しかも、その間、メールアドレスを登録抹消して、
仕事にアクセスしない/できない
という状況まで作る徹底ぶりです。

 

休暇に入る直前のメールで、

「本当に、本当に、本当に大事な
用じゃない限り連絡しちゃダメよ!

どーーしてもというときには、
秘書に秘密のアドレスを教えているからね。
では、ヨロシク!」

とのお達しが来たときは、
おーー、本当にガッツリと休暇を楽しむつもりでんな!

と感動したことを覚えています。

 

 

日本の企業では考えられないようなことですが、
なぜこんなことが実現できるのでしょうか?

 

それは、組織の中で
あるべきマネジメントが機能しているからです。

 

休暇に入るかなり前から、
権限委譲や業務移管の仕組みを作り上げ、
関係者に周知徹底します。

 

通常は、特定の1人ではなく複数の人に分散して
権限委譲・業務移管が行われますが、
仕事や責任を引き取る方も、「お互い様」という感覚です。

 

しかし何より、普段から、次のようなことに
注意を払ったマネジメントがなされていることが大きいです。

 

担当者が休暇を取れるように、

特定の人に「その人しかできない」という
状況を作らず、ノウハウを共有している

 

お互いに助け合うチームワークの
文化を浸透させている

 

上司はいつでも部下に成り代わって
仕事ができる態勢をとっている

 

マネージャーでも休暇を取れるように、
権限を委譲できるだけの
判断基準をいつも部下と共有している

 

それだけでなく、普段から
判断のトレーニングを行っている

 

大事なことは、
下ではなく上へ権限を上げるが、
引き取る方も、
的確に判断できるだけの実務に通じている

 

これ以外にもたくさんありますが、
このようなマネジメントは、
8週間の休暇を実現するだけでなく
チームの生産性を大きく高めます。

 

これこそが、
『エクセレントマネジメント』です。

 

 

外資系の企業、特に金融業界は、
ギスギスとした人間関係で
ノルマに追われて24時間働かされ、
仕事ができなきゃすぐにクビになり
誰もが疲弊している・・・・・・

といったイメージを持たれている方が
いるかも知れません。

 

確かに、そういう会社もあるでしょう。

 

しかし、一方で、
仕事はメチャクチャ厳しくとも、

モチベーションと自律心の高いメンバーによって、
高度なチームワークのもとで
組織力を発揮して成果を出し、

順番に8週間の休暇が取れるような
マネジメントがなされている会社もあります。

 

 

エクセレントマネジメントは、端的に言えば、
これが正しいと思われている常識的なマネジメントが、
必ずしもそうではなく、 むしろ、その逆をいくもの、

た・だ・し、それを高いレベルで行うもの、

そういうマネジメントです。

 

 

これらを、
もっと具体的にもっとたくさんお伝えしたくて、

このたび1冊の本にまとめて、
7月に出版することになりした。

『外資系エグゼクティブの逆転思考マネジメント』(ぱる出版)

 

決してきれいごとでも理屈だけでもなく、

実務経験から学んだ、実務家の櫻田が、
実務家のために書いた、実務的な本です。

 

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