ヘッドハンターが要求した能力とは

■仕事力を高める

 

かつて米国系企業で
米国人CEOとともに会社の運営を担っていた時の話です。

知己のヘッドハンターから、別の米国系企業の
駐日代表としての職を打診されたことがあります。

日本でもまだ新しい分野へ進出するに当たって、
ビジネスを牽引できる人を探しているとのこと。

 

「先方が望んでいるのはどのような人なのですか?」と尋ねると、

「試験問題を解くことができる人ではなく、試験問題を作ることができる人」。

 

目の前にある課題をどう解決すれば
ビジネスがうまくいくのか、

ではなく、

そもそも、日本でのビジネス展開にあたり、
何が成功のためのキーファクターとなるのか?

という課題そのものを的確に提示できる人ということです。

 

10年以上も前の話で、しかも、
経営者として求められる資質として要求されたものですが、
この「問題を作る力」というのは実はすべての
ビジネスパーソンに求められていることです。

特に、管理職として社内への影響力を持ち始める
課長クラスの人たちにとっては、この力の有無が
「できる課長」と「普通の課長」を分けてくことになります。


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「で、何をやりたいの?」
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証券会社勤務時に、初めて管理職としての課長になった時、
尊敬していた先輩からこのように聞かれたことがあります。

 

「で、何をやりたいの?」

業務の効率化などという既存業務の延長線上の話ではなく、
時々刻々と変化していくビジネス環境の中で、
どちらの方向へ向かって課を運営していきたいのか?
そのために何に取り組みたいのか?

大局観を踏まえた上での課長としての業務戦略を問われたのです。

 

どのような組織にも目指すべきゴールがあります。

そこへ到達するための課題を1つ1つ解決していくーーー
これが自分の仕事だと思っている課長は普通の人です。

私が証券会社や米国企業で見てきた「できる課長」というのは、
課題を解決しながら仕事を進めていくのは最低限の責任であり、
その上で、与えられた仕事を超えて新しいことに挑戦し、
仕事の内容そのものをダイナミックに変えていく、

こういう人たちでした。

そのために、関係部署に働きかけて協力を求めたり、
上司に働きかけて担当役員を説得してもらったり、
ときには、必要な部署を新設したり。

新しいゴールを自分で作り出しているのです。

そのような人たちがどんどん昇格し、
より大きな権限を持ったポジションで再び同じことをやるため、
業務がますますダイナミックに展開されていく、

こういう流れを何度も目にしてきました。

 

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「できる人」と話して自分のウツワを思い知る
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「で、何をやりたいの?」

という先輩の質問にまともに答えることができなかった私は、
社内で一目置かれている「もの凄くできる人たち」をつかまえて、
彼らの業務戦略や組織運営論を聞かせてもらいました。

その結果わかったことは・・・・・・

自分のウツワがいかに小さかったかということです。

そして、いま担っている組織上の役割がすべてではなく、
前任者から引き継いだ仕事がすべてでもない、
現場の仕事を一番よく知っている課長の自分たちが、
新しい分野に挑戦しながら仕事や会社を変えていくのだ。

こう考えるようになりました。

 

「で、課長として何をやりたいの?」

こう聞かれたときに、
どのようなレベルで回答するかによって、
自分の「ウツワ」が決まってきます。

 

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