学習を妨げる思考の癖(クセ)

├学習能力を高める

 

 

人の成長には「学習」が不可欠です。

同じ職場で働き同じような経験をしても、
どんどん成長していく人と、
ほとんど成長しない人がいます。

 

それは学習力の差です。

 

この差が発生する要因として、
ベースとなる知識の範囲や量、
論理的な思考力の違いなどがありますが、
もう一つ大きく影響を及ぼすものは「思考の癖」です。

 

つまり、
どのようなスタンスで情報に接しようとするのか、
どのようなスタンスで
それらを自分事として消化しようとするのか、
どのようなスタンスで
自分の行動に置き換えて実践しようとするのか。

 

このような自分の考え方や行動に関して、
「無意識のうちにこう考えている」
というのが「思考の癖」です。

 

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状況が違うから使えない?
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「思考の癖」には学習を促進する癖と
学習を妨げる癖があります。

 

学習を妨げる「思考の癖」とは、
たとえば次のようなものです。

 

・状況が異なる人の成功談や失敗談は自分とは違う

・教科書的な話は役に立たない

・例外を探して全体を否定する

・あの人だからできるのだ

・内容ではなく相手の好き嫌いで判断する

・うちの会社は状況が違うからそれは使えない

・一部を見て全体を決めつける(レッテルを貼る)

・欠点や不完全さを探して全体を否定する

・すぐに使えるものでないと意味がない

 

このような「思考の癖」を持っていると
せっかくの貴重な情報を
入り口でシャットアウトしてしまうことになります。

 

そもそも、自分の仕事に
ドンピシャで役に立つような情報を、
誰かが都合よく提供してくれることなど、
極めてまれです。

 

関係ありそうな……

参考になりそうな……

初めて聞くような……

状況は違うけど……

そのままでは適用できないけど……
といった情報を自分なりに消化して、
自分に適用できる形へと再構築していくのが
あるべき「学習」の姿です。

 

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そこから何が学べるのだろうか?
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どのような情報であっても
頭から批判的に排除するのではなく、
その中に隠れているお宝情報を
何とかして探しだそうとする姿勢が
学習力を高めます。

 

学習を促進する「思考の癖」とは
次のような自分自身への問いを発するものです。

 

・自分とは状況が異なるが、そこから何か学べないだろうか?

・教科書的な話かもしれないが、本当に自分はできているのだろうか?

・例外もあるだろうが、それが言っている本質は何だろうか?

・あの人は、そうやったのだ。では自分ならどうすべきだろうか?

・あいつは嫌いだが何か学べないだろうか?

・うちの会社は状況が違うが、そこにヒントが隠されてはいないだろうか?

・一部しか見えていないが、本質的な姿は何なのだろうか?

・不完全かもしれないが、それでも適用できる分野はどこだろうか?

・どのように工夫すれば、すぐに使えるようになるのだろうか?

 

癖(クセ)は直すことができます。

 

「この癖はイマイチだ!」と気づいたとき、
いまあげたような問いを考えて、
自分に発し続けることが効果的です。

 

やがて、
「無意識のうちにそう考えている」という状態になれば
学習を促進する「思考の癖」を1つ獲得したことになります。

 

「我以外皆我師」(われ以外みなわが師)

『宮本武蔵』の著者である
吉川英治が好んで使った言葉です。

 

 

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